お前、可愛すぎて困るんだよ!
大丈夫。俺を信じて。
「妃莉ちゃん、寒いでしょ。
コレ、着てな」
更衣室から出て、校門に向かう途中。
片倉くんが、自分の制服のジャケットを妃莉に差し出した。
「今日、朝、急いでて。
ジャケットを着てくるの、忘れちゃったんだって?
川瀬から聞いた」
「……あっ……」
そういえば、そうだった。
碧くんのことで落ち込んでたり、今朝は、実行委員のお仕事で朝早かったから、バタバタして……。
ジャケットを忘れちゃったんだった。