お前、可愛すぎて困るんだよ!
「妃莉、コレ、なに?」



って声とともに、後ろから碧くんに抱きしめられた。



「えっ?
えっ?
えっ?
碧くん!?」



「なんか、大きい気がすんだけど。
つか、コレ。
妃莉のじゃなくね?」



低い声でそう言って、碧くんは、妃莉のジャケットをスルっと脱がせた。



「あ、それね。
片倉くんが、貸してくれたの~。
妃莉が寒そうだからって」



改札のそばに立つ片倉くんを指差しながら、斜め後ろの碧くんに教えてあげた。


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