お前、可愛すぎて困るんだよ!
「ふーん」



短い言葉を発して、スタスタ片倉くんの元へ行く碧くん。



手には、片倉くんの制服を持っている。



「それに、ね。
片倉くん。
妃莉のことを送ってくれたの~」



碧くんのあとを追って、そう告げる。



「片倉くんのおウチのほうが、学校に近いのに。
妃莉を心配して、ここまで来てくれたんだよ~」



「……そりゃどーも」



低い声でそっけなく言って、碧くんは、ジャケットを片倉くんの胸に突きつけた。



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