お前、可愛すぎて困るんだよ!
うぅ、絶対……。



妃莉のこと、子供とか……思ってるんだ。



恥ずかしくて、うつむいた視線のはし。



碧くんが、片倉くんに向かって手を伸ばすのが見えた。



「カバンまで持ってくれてたんだ。
ありがとう。
“ウチの”妃莉が、大変お世話になりました」



“ウチの”って言葉だけ、やけに強調して。



碧くんは、妃莉の手を引っ張った。



「ほら。
帰るぞ、妃莉」

< 799 / 978 >

この作品をシェア

pagetop