お前、可愛すぎて困るんだよ!
「でも……。
パパの仕事が、急きょ海外になって……。
でも、妃莉。
どうしても絢音学園がよくて」



「うん、うん」



はじめて、あいづちが葵ちゃんひとりになった。



片倉くんは、無言で妃莉の話を聞いている。



「で、その幼なじみの家にお世話になることになったの。
もう、転校ばっかもイヤだったし」



「ふーん」



葵ちゃんが、大きく3度ほどうなずいた。



「そうなんだ~。
だから、おじさんとおばさんか~」



「うん」
< 80 / 978 >

この作品をシェア

pagetop