お前、可愛すぎて困るんだよ!
まっすぐ前を見ながら、碧くんは言った。



「つか、さ。
行けるわけねーだろ。
あんなことされて」



つないでいない片手を口元にあてる。



「……ったく。
普通、言うかな。
みんなの前で、あんなこと」



「……あっ……」



「すげー大観衆だったし……。
マジで、ドラマか!? って感じだった」



碧くんは、口元に手をあてたまま、くすくす笑った。



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