禁断の果実
1st・・彼氏なんて認めねェ

「ねぇ・・明日・・」
隣のベッドから、絢芽が呟いた。
続きが気になり、俺が聞く。


「何だよ?」
絢芽の方に寝返りを打った。
絢芽は、あっちを向いたまま
布団をギュッと握る。



「彼・・・が来るから」



囁くようになった声は、
時計の秒針よりも小さかった。




前から『居る』のは知っていた。
だが、話しにさせられると困るものだ。




だから・・俺に何をしろというんだ・・
俺は、苛ついてもう一度壁を向いた。
ベッドの横に置いてある時計が、
心地よい音を立てて時を刻む。



―深夜2時、
2人の部屋の電気は一時間前に切ったはずだが
2人はまだ起きていた。


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