禁断の果実
家にあった安いライターを
タバコに近づける。
カチッ
・・カチッ
なかなか点かないことに
腹を立てて、ライターを
庭に放り投げた。
ライターは、砂に音を
たてながら落ちる。
はぁ・・今日彼氏なんて連れてくんなよ
俺の脳内はその事で
埋め尽くされていた。
誰にも見せないあんな笑顔見せやがって
俺は体の奥で、熱いものを
感じた。
それが怒りなのか
悲しさなのかは分からない。
アイツと遊ぶか・・・
そう思い、椅子から立ち上がる。
視線を二階に戻した。
――俺は
目を疑った・・・