今日もあなたが。



ピーーーーーーーーーー。

練習試合が始まった。
百戦錬磨の零先輩のジャンプボールから始まった試合は桜ヶ丘のペースだった。
コートには選手の声と茉梨先輩のタイムが響いてた。
1試合目は桜ヶ丘の圧勝で終わった。
ずっと零先輩に見とれてた私に茉梨先輩が
「零ばっか見ちゃダメだぞ〜笑
次は陽菜ちゃんスコアね!」
と言った。
「はい...笑 頑張ります。」

2試合。相手も作戦会議をしたようでさっきよりも接戦だった。
2ピリが終わりハーフタイム。
汗だくの先輩たちはお互いに意見を言い合っていた。
3ピリが始まると相手の猛攻撃が始まった。
ピーー!
零先輩が突き飛ばされ相手がファールをとられた。
「よくも零先輩を...ぶっ殺してやる...」
興奮する私とは別に零先輩は冷静に立ち上がりフリースローを2本決めた。


練習試合は桜ヶ丘の全勝で終わった。
片付けが終わると相手の顧問がくれたらしいアイスに部員が集まっていた。
「俺2本ね!」
テンション上がってるのは龍先輩。
「マネージャーは期待しない方がいいよ笑」
茉梨先輩がささやいた。
「あ、はい...笑」
だけど優樹先輩が私たちに気づき
「マネージャーももらいな!」
と、声をかけてくれた。
私の手を引く茉梨先輩と私は心を踊らせアイスに手をかけた。すると...
「おい!マネージャーは俺にくれるよな!?」
そーいい私のアイスを横取りするのはもちろん龍先輩...。
「龍!返しなさいよー!
陽菜ちゃん私の食べな!」
茉梨先輩がくれようとしたけど私は大丈夫ですと断りその場に立っていた。
「んっ。これあげる。」
後ろから出てきたアイスに私は振り返る。
アイスを差し出してくれたのは優樹先輩。
「あ、大丈夫ですよ。お気づかいなく。」
「いや、零から。2本取ってたんだって笑」
私は思わずクスッと笑いながらアイスを受け取った。
そして零先輩にペコリとお辞儀をした。


家に帰って柚菜にLINEをする。
「なんもできなかった。でも、いい1日でした♡」
LINEはすぐ返ってきた。
「よかったね。おやすみ♡」
冷た......。でも私には分かった、いつもそっけない柚菜が♡を使ったんだ。喜んでくれてるんだ^-^
< 6 / 30 >

この作品をシェア

pagetop