二百文字小説【小さな玉手箱】
《4.人生計画 》

 私の人生計画は、お金持ちの患者さんかカッコいい研修医と結婚することだったの。

 それが婦長ときたら、嫉妬して邪魔ばかり。

 だから駅前の居酒屋で思いっきり飲んで憂さ晴らししてから、終電に乗ろうとしたの。

 あれが間違いだったのね。今では半透明の患者さんが話しかけてくるだけで、他の人は見向きもしてくれないわ。

 得したのは食事をしなくていいってことくらいかしら。

 腹が立つから決めた。今度は婦長を呪い殺す人生計画をね。
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