二百文字小説【小さな玉手箱】
《5.再検査 》

 母が他界した。

 世話好きの母は、いつも独り者の私を気にかけていた。

 その数日後、私は再検査を受けることになった。

 なんでも非常事態らしい。重い病気なのだろうか。母の後を追いかけるようなことになるのではないか。

 医者に指示されて、緊張しながらレントゲン撮影をする。

 こんな時に母がいてくれたら。

 診察室に入ると、レントゲン写真を見せられた。

「何度撮っても白い影がはっきりと写るんです。この顔に見覚えはないですか?」
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