二百文字小説【小さな玉手箱】
《7.贅沢 》
凍えるような季節に帰宅すると、食卓に必ずある鍋は恒例だ。
遅い時間でも待ってくれている、妻の優しさがありがたい。
今日の鍋はすごく贅沢だな。野菜だけではなく鱈や白子まであるのか。
とにかくダシがうまい。まるで高級料亭の味だ。
「お仕事お疲れさま」と言ってくれる妻の言葉に涙が出そうになる。
一人息子も素直で私の誇りだ。
「お父さんお帰り。蟹とカキの鍋うまかったよ」
慌てて席を立った妻が、何故か息子の口を押さえた。
凍えるような季節に帰宅すると、食卓に必ずある鍋は恒例だ。
遅い時間でも待ってくれている、妻の優しさがありがたい。
今日の鍋はすごく贅沢だな。野菜だけではなく鱈や白子まであるのか。
とにかくダシがうまい。まるで高級料亭の味だ。
「お仕事お疲れさま」と言ってくれる妻の言葉に涙が出そうになる。
一人息子も素直で私の誇りだ。
「お父さんお帰り。蟹とカキの鍋うまかったよ」
慌てて席を立った妻が、何故か息子の口を押さえた。