二百文字小説【小さな玉手箱】
《8.間違えた追求 》

 裕福な家庭に生まれ、欲しい物も好きなだけ手に入れ、勉学もスポーツも一度も負けたことがなかった。

 一流大学には首席合格し、卒業まで誰にもその座を譲らなかった。

 スポーツ界にも注目され、メジャーデビューも可能だった。

 しかし私は全ての願い出を断った。やることがあったからだ。

 それが今は檻の中。粗末な食事を渡されて、自由な生活すら許されない。

 どこで失敗したのだろうか。

 世界が震撼する完全知能犯罪だったはずなのに。
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