二百文字小説【小さな玉手箱】
《9.二度寝 》

 現実か非現実の世界か判別しにくい浮遊感が心地よい。

 あと五分だけ。お願いだから起こさないでほしい。

 今週は仕事も頑張った。趣味もできず睡眠もまともにとれなかったのだ。

 今日こそは二度寝すると決めた。不足した睡眠時間をまとめてとってやる。

 そう決めたのに、目の前に天使が現れた。

「まだ寝足りないのですか。はやく逝かないと遅れますよ」

 そうか。もう睡眠は必要ないんだっけ。

 二度寝は奇麗な姉ちゃんがいる天国でしよう。
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