ツンツンな彼の攻略法【完】
「じゃあ今日はここまでにしとく?」
佐田くんの説明が分かりやすすぎて没頭してる間に、もう外はオレンジ色一色に染まっていた。
…すごい私がこんなに集中するなんて。
「うん、佐田くん今日は本当にありがとう。」
「いいえ。もう暗いから送るよ。」
「そんないいよ!」
「俺が送りたいから送らせて、小屋橋ふらふらしてて心配だしな」
「そんなことないよ酷い!…じゃあお願いします。」
私がぺこりとあたまを下げると、柔らかく微笑んで私の頭をポンと撫でた佐田くん。
佐田くんと帰りたい女の子なんていっぱいいるだろうに、私が一緒に帰っていいのかな。
本当に佐田くんはどこまでも優しい人だ。