ツンツンな彼の攻略法【完】
「…小屋橋ってさ、山梨のこと好きなの?」
二人で学校を出て少し歩いていたところ、佐田くんからされた意外な質問。
佐田くんの目はどこかゆらゆらと揺れているように見えた。
私が涼介くんを好きなことは、私が涼介くんの名前をよく叫んでいるから学校内では有名なこと。
「うん、好きだよ。」
「っ、だよな。有名だもんな。」
私が認めた途端に悲しそうになった顔色。
俯いてしまった佐田くん。
どうしてこんな質問をされたのかも、俯いてしまった佐田くんの心理も分からなくて、なんとなく声をかけづらくて、その日の帰り道は二人無言で並んで歩いた。
私知らない間に佐田くんに何かしてしまったのかな?