ツンツンな彼の攻略法【完】
そんな彼に付き纏い続ける私は小屋橋ひな。
顔は普通で、体型も普通。ミディアムボブくらいの髪型に栗色の髪色。
友達はこのうるさい性格から多い方。
付き纏い続けること半年。やっと涼介くんに顔を認識してもらったのである。
最初の頃は毎日会うたび自己紹介をしていた。
「そんなこと言わないで食べましょうよ!」
そう言って朝早起きして腕によりをかけて作ったお弁当を差し出す。
「嫌だ。」
即答ですか。
「…じゃあここに置いて行くので食べてください!」
そう言って涼介くんの教室を出る。
今日もダメだったか…。
毎日お弁当を作っているのに一緒に食べてくれたことは未だにない。
お弁当は食べてくれてるみたいで、放課後になれば私の下駄箱に返却されている。
私はその空っぽになったお弁当箱を見るだけで、頬が緩んでしまうのだ。