ツンツンな彼の攻略法【完】
私はしょんぼりとしたオーラを纏い、今日も一緒に食べられることのなかった自分のお弁当箱を抱えて、自分の教室に戻る。
「…今日もダメだったの?」
かのんにそう聞かれる。
「…うん。」
「もう諦めれば?」
「やだ!!それだけはできない!!」
嫌だもん。諦めるなんて無理だもん。毎日突き放されたって、好きなもんは好き。
「でももう半年だよ?半年間も振り向いてくれないんでしょ?他の人を見ることはできないの…?」
優しく気遣ってくれるかのんの声。
「…できないもん。」
「山梨くんに彼女ができたらどうするの?」
少し意地悪なかのんの質問。
「…それはこっそり好きでいる。今みたいに絡まないよ。」
「…そっか。」
そう困ったように微笑んだ。
涼介くんに彼女ができる、なんてこと起こらなければうれしいな。想像しただけでこんなに悲しいんだもん。