ツンツンな彼の攻略法【完】
に
「それにしても暑いねぇ〜」
「もう溶けそう。」
本当に溶けるよう暑さだ。
まだ7月なのになんでこんなに暑いの。
これからまだ暑くなるなんて耐えられない〜!
なんでこんなときに外で体育なんてするんだろう。
グランドは本当に灼熱地獄と化している。
プールに入りたい!!
タラタラと流れてくる汗に顔を顰める。
「じゃあ今日はここで終わり。」
「ありがとうございました〜」とクラスメイトたちがだるそうに挨拶をする。
「終わった〜!やっと涼しい教室に入れる〜!」
「早く着替えて教室戻ろ!」
そう言って更衣室に向かう途中。
「あ!涼介くん!!!」
次の時間、体育なのだろうか。体操服を片手に渚くんと歩く涼介くんの姿。
…今日もかっこいい。
相変わらず笑顔でわんこみたいに話す渚くんと、無表情な涼介くん。
二人とも私の声に気づいていない。