初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
柾貴さんはコーヒーメーカーでコーヒーを作り始めていた。

「私も手伝います」

「眞彩さん・・・」

「柾貴さん、帰宅したばかりで疲れているでしょ?私が淹れますよ」

「じゃカップ用意してくれる?」

「あ、はい・・・」

私は食器棚の扉を開いて、カップを取り出した。

「柚希、拓真さんとはちゃんと話出来るのに・・・稜真とは全然、話しないよね」

「そうですね・・・」

柚希、未だに稜真さんのコトになると口を噤んでしまうから・・・

私としても胸の中がモヤモヤしてしまう。

「まぁー彩名さんのコトはもう二十年前の話だし・・・柚希も吹っ切れてるとは思うよ。
だから、気にしないで・・・眞彩さん」

「ありがとう…柾貴さん」

私と柾貴さんで淹れたてのコーヒーをダイニングテーブルに運んだ。

「サンキュー・・・」

拓真さんはテーブルに置きっぱなしだった賞味期限切れの『延命温泉饅頭』を一人で食べていた。

「拓真さん…その饅頭・・・」

「柚希、ちゃんと言ってやれよ・・・」

「テーブルに置いたままの柾貴が悪い」

「何だ?この饅頭食べたら、ダメだったのか??」

「いや、それ・・・賞味期限切れてるんです・・・拓真さん」

「えっ!?」

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