初恋ウエディング～交際０ヵ月の求愛～

「俺は会社に戻るよ。柚希」

「じゃエントランスまで送るよ。父さん、眞彩」

「柚希・・・
桐生会長が義父さんの病室に居るそうだ。
時間が取れるなら、桐生会長を呼び出し、義父さんの病状を伝えてくれ。
結婚披露宴も急ぐ必要がある。眞彩さんと三人で話をしてくれないか？」

「分かった。その前に、医局長の許可を貰わないと」

「悪いな・・・」

「社長…私・・・」

最近の私は秘書としての仕事をまともにしていなかった。

「俺の秘書の仕事よりも、今は相馬家の嫁としての仕事に専念して欲しい」

「分かりました・・・」

「じゃ俺は一人で帰る。柚希、眞彩さんを頼んだぞ」

「分かった・・・」

相馬社長は短く手を振り、一人でエレベーターホールに向かった。