初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
(12)若き支配人

眞彩side-

お爺様とは駐車場で落ち合った。私達の姿を見るなり、須和田さんがベントレーのドアを開いた。

私は助手席。お爺様と柚希は後部座席に乗り込んだ。
須和田さんは運転席に乗り、エンジンをかけた。
「転移か・・・」

「はい・・・」

「場所は違えど・・・妻と同じ肺癌・・・余命は?」

「半年です・・・」

「半年か・・・結婚披露宴は出席出来ても・・・ひ孫の顔は見れないかもな・・・」

「一応、努力はしていますが・・・」

「そっか・・・祐早斗の為にも結婚披露宴を急がねば、ならんな・・・そうだ・・・二人にはまだ話をしていなかったが、仲人の件は敦司君夫妻に頼んだからな」

「伊集院元総理夫妻が俺達の仲人ですか?」

「そうだ・・・敦司君達以外にわしは仲人を任せるつもりない」

「ありがとうございます」

お爺様は完全に私達の結婚披露宴を仕切っていた。



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