初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「電話で秘書の須和田が話した通り、近日中に孫の眞彩と相馬祐早斗の孫・柚希君の結婚披露宴を行いたい」

「このような場所での立ち話ではなんですので・・・お部屋の方にご案内させていただきます。桐生会長」

「そうだな・・・眞彩、柚希君。行くぞ」

晃祐さんは私達を支配人室に案内した。

「以前から、お二人の結婚披露宴を当ホテルにて行う話は桐生会長から頂いておりました」

「失礼致します」

「能瀬か・・・入ってくれ」

一人の女性が軽く会釈をして入室して来た。
「当ホテルのブライダルサロンのウエディングプランナーの能瀬です。
何もわからぬ私では心もとないので、彼女を呼びました」

「支配人からご紹介にあずかりました。能瀬です。よろしくお願い致します」

私達五人で、披露宴についての具体的な話を始まった。

「派手にやりたいが、祐早斗が気を遣うだろう。
両家…親戚も含めて…三百人ぐらいで調整しよう」

「仲人は伊集院元総理夫妻を伺っております」

「二人には既に了承を得ている・・・」

「では、具体的な日取りの希望を教えてください」

晃祐さんは私達に卓上のカレンダーを見せて、大安吉日を教えてくれた。

「この規模なら、どれぐらいの時間で、準備が可能だ??晃祐君」

「当ホテル致しましては、最高級のおもてなしでお二人のご結婚をお祝いしたいと思います。
三ヵ月は欲しい所ですが・・・」

「三ヵ月?
三ヵ月は待てない。明日にでも、執り行いたいんだ!」

「お爺様!?」

「桐生会長は・・・それは・・・」
横暴すぎるお爺様の要望に晃祐さん達は困惑してしまった。
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