初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
タクシー乗り場に到着すると一台のタクシーが停車した。
私は後部座席に乗り込み、晃祐さんに会釈した。

「今度はブライダルエステだね・・・」

「はい」

「おやすみ、眞彩さん」
晃祐さんは穏やかに笑い、短く手を振った。
私も反射的に手を振り、笑みを湛える。

走り出したタクシー。
振り返り、晃祐さんの立つタクシー乗り場を見つめると彼がまだ手を振っていた。

私のタクシーが見えなくなるまで晃祐さんは見送ってくれた。

晃祐さんと夕都さん。
双子じゃないけど、顔も背丈も良く似ている。
でも、性格は違った。
どちらかと言えば、私は晃祐さんの方がスキで
夕都さんって気が強いし、屁理屈ばかり言うから嫌いだった。
彼とは大学の合コンで再会し、何度か食事や映画を観た。
夕都さんの方から『付き合ってくれ』と言われたが、柚希に片思いの私は柚希以外の男性とのお付き合いは考えられず、フッてしまった。
それからは会うコトもなくなった・・・
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