初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
ICUに戻り、意識の回復した弥映子ちゃんの様子を伺う。

「弥映子ちゃん」

弥映子ちゃんは俺の顔を見るなり、ニコッと笑った。
俺も微笑み返す。

「バイタルは安定しています。相馬先生」

弥映子ちゃんのバイタルをチェックした仁科さんが俺に報告した。

「後は俺が診るよ。ありがとう・・・仁科さん」

「分かりました」
仁科さんは他の患者のバイタルをチェックに行った。

「弥映子・・・」

奈那子さんは涙ぐみながら弥映子ちゃんの手をそっと握った。

「良かった・・・」

「奈那子さん・・・」

「柚希さん、ありがとう・・・」

「俺は主治医として・・・当然のコトをしただけです」

一つに山を越えたのに過ぎず、弥映子ちゃんが越えなければならない山はまだあった。

俺は少しだけ安堵の息を漏らしているとまた、PHSが鳴った。

相手は渚医局長。

「相馬です・・・」

ーーーー医局に濱部稜真社長がお目見えだ・・・相馬

「分かりました・・・直ぐにそちらに向かいます」

俺は電話を早々に切り、奈那子さんに伝えた。

「稜真が病院に来てる」と・・・



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