初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「貴方に変なコトを吹き込んだのは弟の夕都です。言っておきますが、俺と眞彩さんは何もありませんから・・・」

晃祐さんは胸に聴診器を当てる俺に弁解した。

「仕事で疲れ果てている晃祐さんに眞彩に手を出す体力は残っていないと思ってます」

「まぁ―俺の部屋で眞彩さんが夜を明かしたのは事実ですけど・・・」

晃祐さんは急に挑発的な態度に出た。

「・・・でも、俺は別の部屋で過ごしましたから…安心して下さい・・・」

「俺を試したのか?」

「眞彩さんが貴方を試して欲しそうだったから・・・」

「心音は正常ですね・・・次は血圧測ります」

「・・・眞彩さんは貴方を驚かす為に当ホテルのカルチャーサロンでウエディングケーキを作っているんです」

「ウエディングケーキ?」

「・・・はい・・・柚希さん貴方・・・言葉足りないんじゃないですか?」

「入籍と同時に恋愛が始まったばかりだからな・・・俺と眞彩は二年間、カラダだけの関係だったから・・・」

「へぇー・・・柚希様も罪な男だ・・・」

「でも、今は違う・・・血圧も正常だ・・・順調にいけば、二、三日で退院できそうですね。晃祐さん」

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