初恋ウエディング～交際０ヵ月の求愛～

「高校時代の講演会で来たのが、同時自衛隊と呼ばれた防衛隊の陸自所属の医官で、彼はイラクのサマワの病院の医者たちに我が国の最先端医療の技術を伝授したらしい。
俺は彩名と同じ病で苦しむ人達を救いたいと同時に、医療後進国の人達も救いたいと思った。
命の重さに人種も国も関係ないと思うんだ」

「柚希・・・」

「ゴメンね・・・眞彩・・・」

「どうして謝るの？」

「俺の話訊いてる眞彩の顔が辛そうだから・・・でも、訊いて欲しかったんだ・・・」

「柚希・・・」

「俺は相馬家本家の後継者だし、今は普通の病院の医者だ。
でも、いつか・・・その・・・『ＭＳＦ』の医師として、海外に行きたい」

「じゃ私も付いて行く・・・」

「眞彩・・・ありがとう・・・」

「明日は二人の門出だと言うのに・・・重い話して、困らせてゴメンね。眞彩」

柚希は何度も謝罪のキスを落とした。甘いキスで誤魔化されても、これだけは答えが出なかった。