初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
控室に戻ると、今日の披露宴で司会進行役を務める晃祐さんが挨拶に来た。

「柚希様、本日はご結婚おめでとうございます」

「次は晃祐君の番だねと言っていたところだ」
父さんが冗談めかしに言った。

「私はまだまだ・・・支配人としても半人前ですので、結婚なんて先ですよ。相馬社長」

「ウチの柚希だって・・・結婚は全く考えていなかったよな・・・」

「そうだった??」
俺はワザと惚ける。

「調子のいいヤツだ・・・」
父さんは右肘で腕を小突いた。

「挙式前だと言うのに・・・皆様、とってもリラックスされているようなで安心しました。
それでは私は失礼致します」

晃祐さんは穏やかな笑みを湛え、一礼すると踵を返して退室した。

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