初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
介添え人の案内で、俺達は挙式会場へと移動していく。
父さんが爺ちゃんの車椅子を押した。

「いよいよですね・・・お義父さん」

「美苑にも柚希の花婿姿、見せてやりたかったな・・・」

「そんなコト言ったら、俺の父や母にも見せたかったです」

父さんの父親と母親は俺が生まれる前に亡くなったから写真でしか見ていないが、婆ちゃんのコトは憶えていた。

「空の何処かで皆、見ていると思うよ…爺ちゃん」

「そうだな・・・でも、わしも早くみんなの元に逝きたい」

癌は爺ちゃんを弱気にしていた。

「爺ちゃん・・・」

「柚希、さっきのは冗談だ。ひ孫を見るまでは逝かんぞ」

「ひ孫、ひ孫って…そればっかりだね…爺ちゃん」

子供だけは授かり物だし、爺ちゃんの希望に添えるかは分からない。

「まぁー努力はしてみるよ・・・」

「期待してるぞ。柚希」

ひ孫が爺ちゃんの生きる希望になるなら眞彩と話をしよう。
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