初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
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柚希は帰宅するなり、ノートパソコンを立ち上げ、ワードでカタカタとキーを叩き、論文を作成していた。
「コーヒー淹れたわよ。柚希」

「サンキュー、眞彩」

「論文は順調?」

「ん、あぁ」

「大変ね・・・」

「でも・・・俺の憧れる高木院長の勧めだから・・・何だか期待されてるみたいで・・・」

「柚希の憧れの人か・・・」

「院長が彩名の主治医だったんだ」

「彩名さんの主治医?」

「うん」

柚希はキーを叩くのを止めて、私の淹れたコーヒーの口をつけた。
彩名さんの主治医だった先生か・・・

「幼い俺から見れば・・・院長は神様のような人だったよ・・・院長は小児心臓血管外科の世界では『神の手』を持つと言われた有名な医者で、多くの子供たちの命を救ってきた」



「柚希は高木院長のようなドクターを目指してるのね」

「今はね・・・でも、俺が高木院長のようになれるかは分からないけど・・・」
柚希ははにかみ、もう一口コーヒーを飲んだ。
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