初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
後日、俺と眞彩の同席で、杉崎先生から検査の説明を受け、まずは母体の検査に望んだ。

母体の眞彩には何の問題もなかった。

大泉医局長を交え、三人でカンファレンスルームで結果を吟味した。

「胎児側に問題があると言うコトだな・・・」
大泉医局長が呟く。

尤も、考えられるのは

俺と眞彩の子に重篤な先天性の心疾患の可能性があるかもしれないと言うコトだ。

「母体の負担の少ない胎児エコー検査で、観察し、心疾患の診断を急務に行う」

「そうだな」

大泉医局長、杉崎先生の意見が一致。
俺も二人と同意見だった。

胎児の病によっては分娩方法も全て変わって来る。

眞彩も不安がっていた・・・
どう説明すればいい?

「悩むのは分かるが・・・一番不安なのは奥さんの方だぞ。
相馬先生」

「分かってます」

「なら、笑えっ!」
と大泉医局長が俺の唇の両端をグイッと指で押し上げ、無理やり笑みを作った。

「分かってます。痛いです。医局長」

「分かってるならいい・・・」

大泉医局長は俺の口許から指を離した。


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