初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
俺は眞彩の病室を訊ねた。
これは真剣に俺に好意を寄せていた眞彩をぞんざいに扱っていた
俺への罰なのだろうか?

俺は医者である前に

彼女の夫であり、お腹の中の子の父親。

俺がノックすると「どうぞ」と眞彩が返した。

「入るよ」

眞彩はベットから起き上がり、俺を出迎えてくれた。

「柚希、検査の結果は出たの?」

「ん、あ・・うん」

高木院長は真実を眞彩に告げた方がいいと言った。

まだまだ、胎内の赤ちゃんは小さい。
医師の管理下の元で、臨月まで胎内で赤ちゃんを生育させてカラダを大きくするコトが手術への成功の道となる。

それには母親の協力が不可欠だった。


「眞彩…俺とお前の子はやはり、心臓に大きな病を抱えていた。
その子は産まれたら直ぐに手術が必要となる。
その子の命を救うには出来るだけ、眞彩の中で育てなくてはいけない。
出産まで、不自由させるかもしれないけど・・・その子の為に我慢して欲しい。
俺も医者として夫として、その子のパパとして全面的に協力する」

「柚希・・・」

「愛してる・・・眞彩」

俺はベットの脇に腰を下ろし、眞彩とお腹の子を抱き締めた。

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