初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
俺は手術の準備を整え、手術室に入った。

「眞彩さんの様子は?」

「落ち着いていました」

「母は強しか・・・」

「院長・・・」

「今回の手術はこの俺が執刀するが・・・この先は父親である君が執刀するかもしれない。
その時まで、医者としての技術や経験を積みなさい、相馬君」

「院…長!?」

俺は小さな手術台を見つめた。
――――俺と眞彩の間に生まれた子は男児だった。

我が子との対面は手術台となった。

眞彩のお腹の中で育まれた命。
俺はその命を救う為に此処に立っているーーー・・・
苦し気に息をする我が子を見ると胸が切なさで引き締まる。
小さなカラダで必死に生きようとする我が子。
そんな我が子を心の奥から救いたい。それ一心だった。

「メス」
院長の低い声が響く。
俺は院長の助手としてメスを渡した。

院長の神の手は未だ衰えず、俺も院長のスピードについて行くのがやっとだった。
縫合を終え、小さなカラダに大きな傷痕を残したが、手術は成功した。




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