初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「俺が爺ちゃんに付き添うから父さん達は帰って」

「柚希、任せたよ」

「お願いね。柚希」

「お休み、父さん、母さん」

俺は爺ちゃんが治療を受けるICUに入って行った。

爺ちゃんは意識がハッキリしていた。

「おーっ…柚希か・・・」

「孫の柚希だよ。爺ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫だ・・・」

爺ちゃんは目尻に皺を作り、嬉しそうに俺を顔を見つめた。

「で、彼女は出来たか?」

「はぁ?俺の彼女よりも自分の心臓を心配しろよ」

「俺の心臓は大丈夫だ。ひ孫を見るまでは死なん」

隣に居た看護師の仁科さんがクスッと笑う。

「俺…彼女居ないし、結婚もしない。爺ちゃんにひ孫は見せられそうにない」

「・・・」
爺ちゃんはムッスリとした顔をして押し黙ってしまった。
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