初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
(6)初恋の成就

眞彩side-

「これ、お土産です。社長」

「お土産?」

私は熱海で買ったクッキーを朝一番のコーヒーと一緒に出した。

「ありがとう…どこに行ったの?」

「友達と土日を利用して熱海に行って来ました」

「熱海?そうか…偶然だな。息子の柚希も熱海に行ったらしい」

「あ・・・そうですか・・・」

私は素知らぬ振りをして給湯室に戻ろうと踵を返す。

「柚希と一緒に行ったんだろ?眞彩さん」

「・・・」
社長は私と柚希のコトを知っている。
私は恐る恐る振り返って、社長の顔を見た。

「結婚するんだろ?」

「結婚!?私と柚希さんがですか?」

「柚希はそう言っていたけど…」

「私は何も訊いてません」

「君からプロポーズされたと言っていたよ」

「ええ~っ!?」



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