初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「俺も彩名のコトに区切りは付けています」

「なら、責任取ってウチの孫と結婚して貰おうか?」

眞彩と結婚ーーー・・・

「祐早斗もそう長くないんだろ?」

「桐生会長はお爺さんの病気をご存知なんですか?」

「本人から訊いた」

「本人?本人にはまだ告知・・・」

「アイツだって薬大卒だ。自分の体調位判るだろ?」

もしかして爺ちゃんは肺癌を患ってるコトを隠していたのか?

「お前は相馬家本家の後継者」

爺ちゃんと同じで桐生会長も俺を家で縛ろうとする。

「冥土の土産に爺ちゃん孝行してやれ」

「眞彩と結婚しても…俺には幸せには出来ません」

「女一人幸せにも出来ず…人道支援など出来ないぞ。柚希君」

「桐生会長」

 「祐早斗にとって君はたった一人の内孫…人道支援したいが為に君は防衛大医学部に入り医官を目指した。それは素晴らしい心意気だと思う」

でも、俺の望みは爺ちゃんによって絶たれてしまった。

「今の自衛隊は昔と違う。だから名前を防衛隊と改めた。国を護る役目も担っている。妻の美苑さんに逝き、祐早斗は身近に死を感じた」
婆ちゃんの死が爺ちゃんの考えを変えた。

「だから…医官を辞めさせた。君は医者として多くの命を救っている。今のままでも十分…『ノブレスオブリージュ』の役目は果たしていると思う」

「桐生会長からそのようなお言葉を頂けて光栄です」









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