初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「確かに今のままでも、俺は十分満足しています」

このままでは爺ちゃんも死んでも死にきれないだろうなぁー。
最初から眞彩は他の女性と違った。
彼女とは幼い頃から親同士が知り合いで交流もあった。
…そんな彼女に手を出して、いつかは白黒ハッキリ付けなきゃと思っていた。

「わしは君と眞彩の結婚を祝福する。相馬家と桐生家が結ばれるんだからな」

桐生会長の言葉は誠の言葉だろう。




「桐生会長のお話は判りました。善処します」
俺は眞彩との関係を見つめ直そうと思う。

「今すぐ結婚すると言えっ!」

でも、桐生会長も爺ちゃんと同じで横暴な人。
俺も早く現場に戻りたいし、会長に寄り添った。

「…判りました。俺は眞彩さんと結婚します」

「それでいい!!有言実行と言う言葉知ってるだろ?さっきの言葉を肝に銘じておけ」

桐生会長は白いちょび髭を弄り、言い放った。

家と家の繫がりか…
相馬家と桐生家の繫がりは互いの家に繁栄を齎すかもしれないが、俺自身は全く家同士の繫がりに興味はなかった。
俺が関心を寄せるのは妻となる眞彩のコトだけだった。



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