初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「見合いの話なら、断ってね」
私は書斎に入るなり、お父様に言い放った。

「まだ、何も言ってないぞ!」

「いつまでも独身でフラフラしてるから…朝帰りなんてするんだ。岳お前はどう言う育て方をしたんだ?」
お父様だけではなくお爺様まで居た。
フルネームは桐生捺(キリュウナツ)
会社を一時期はお父様達に任せ、政界に進出し、国土交通大臣を務め上げた。
今は会社に復帰して会長を務めている。

「お爺様もいらしゃったんですね・・・」

「眞彩お前は今年で幾つになる?」

「24歳です」

「24歳か・・・」

「同い年の日葵さんは結婚して、子供が居るぞ」


「それは・・・」

お爺様はお兄様の奥さん・日葵(ヒマリ)を引き合いに出し、私を責めた。
私の超苦手とするお爺様。
お爺様には皆、頭が上がらないーーー・・・

「私だって縁談話は沢山勧めてはいるんだが、どれもこれもダメだと言って・・・」

お父様は苦しい胸の内をお爺様に伝えた。
「わがままだな・・・」
お爺様は呆れ顔で深い溜息を吐いた。


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