初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「結婚披露宴は後でいいから…先に入籍を済ませろ。柚希君」

「入籍?」

「婚姻届は須和田に持って来させる。証人は俺とお前の二人だ。祐早斗」

「相馬家と桐生家が親戚になる瞬間に立ち会えるのか・・・嬉しいぞ」

「わしもだ。捺」

証人が二人居ても、肝心の眞彩が居ない。

「でも、眞彩が・・・」

「柚希君、眞彩はわしが呼ぶ…来たら呼んでやるから・・・仕事に戻るといい」

「ありがとうございます・・・桐生会長」

俺は一旦、医局に戻り、引き出しの中を開いて、印鑑を捜した。

「何を捜してんだ?相馬先生」
大泉先生が慌ててる俺を不思議そうに見て、問いかけた。

「印鑑だ」
「印鑑?」

「・・・婚姻届にサインするコトになった・・・」

いきなり、婚姻届にサインする羽目になるとは。
でも、あんなに嬉しそうな爺ちゃんの顔は久し振りに見た。

やはり、桐生会長の存在は爺ちゃんに元気を与える。
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