初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
柚希のレクサスRXに乗り込んで、柾貴さんと暮らすマンションに向かった。

「ここで二人住んでるの?」
二人の住むマンションは六本木にある高級タワーマンション。
家賃は全て、柾貴さん持ちらしい。

「『ハートフル』の社長秘書ってお給料がいいのね」

「柾貴の本業は秘書じゃない作家だ」

「作家?」

「ペンネームは確か…浅香大気だったかな?」

「知ってる。売れっ子の推理小説家で最近は恋愛小説も書いてますね。私も浅香先生の本は一冊持ってる」

「俺は全然読んだコトないけど・・・」

レクサスを地下の月極の駐車スペースに停めて、一階のエントランスへとエレベータ―で上がった。

エントランスにはカウンターがあり、年配のスーツ姿の男性がコンシェルジュとして立って居た。

床は大理石で内装もホテル仕様で豪華だった。

「お帰りなさいませ。相馬様」

コンシェルジュの男性が柚希に声を掛けた。

「ただいま」

「クリーニングの方が仕上がっておりますので、お待ちください。相馬様」

男性はカウンターの奥へと消えていった。
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