光の少女Ⅴ【決戦編】
2

「わわっ!?」

「っ!」


思ったよりも激しい揺れに、花音は耐え切れず座り込む。

近くにいた神蘭もバランスは崩したようだったが、すぐに体勢を立て直していた。

空間を狭めようとしている力とそれを阻止しようとしている力がぶつかり合っているせいで、揺れはおさまるどころか益々酷くなっているような気もする。


「・・・膠着状態だな」

「・・・うん。でも、多分このままだと・・・」


長期戦になればなる程、どう考えても空間を操れる男の方が有利だろうと思う。

実際に花音の位置からでは風夜の表情は見えないが、封魔と空間使いの男の表情はわかる。

封魔が険しい表情を浮かべているのに比べ、男はまだ余裕があるような笑みを浮かべていた。
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