光の少女Ⅴ【決戦編】


「・・・花音」

「な、何?」

「城の前で会った女、覚えているな?」


丁度思い出していた時に言われ、コクリと頷く。


「・・・今は奴のことは忘れろ。そして、誰にも言うな」

「えっ?」

「奴の言う通り、今の敵は黒姫だ。奴等はまだ動かない。だから、まだ言うな」


そう言う封魔に少し引っかかりも覚えたが、あまりに真剣な表情をしている彼に溜め息をついて口を開く。


「・・・わかりました。でも、一つだけ。封魔さんには心当たりがあるんですね?」

「・・・ああ」

「・・・そうですか」

「・・・悪いな。いずれ奴等は動く。・・・その時、またお前達を巻き込んでしまうかもしれない」

ー『あなた達はいずれ私達の所へ来る。絶対にね』ー


その時、封魔の言葉と女の言葉が繋がった気がしたが、今は考えないことにした。
< 23 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop