光の少女Ⅴ【決戦編】
「神麗さんが言ってたんだけど、みんなが持っている宝珠は、その物自体が強い力を持っていて持ち主の力を高めてくれるものだけど、光と闇の宝珠は違うらしいの。神族と魔族から逃げてきた人達が自分達の強すぎる力をその中に封じて、他の一族と同じ様に宝珠と呼んでいただけだって」
「・・・・・・」
「そして、その宝珠が壊れたことで、その力が私達の中に入った為に、次第に私達の身体も変化していくだろうって。まぁ、そうならないようにすることも出来るらしいんだけど」
「迷ってる訳か?」
そう問われて、花音は頷いた。
「でも、まだ時間はあるんだろ?後の二人とも話し合ってどうすればいいか、後悔しない方を選べばいいさ。・・・俺の時とは違って、そんな緊迫した状況ではないんだろうからな」
「・・・」
言われて、風夜が今まで出してきた選択の答えを思い出す。
それらの時には風夜は、力を受け入れるしかない状況ばかりだった。
それに比べて、自分達にはまだ時間もあり、黒姫を倒せばそんな悪い状況もない。
受け入れるしかなかった風夜と選択肢の残された自分達。
そのことに気付いて、彼に相談してしまったことを後悔していると、扉が開かれ、風牙が入ってきた。