光の少女Ⅴ【決戦編】
少しの間、不気味な静けさに包まれる。

そんな時、何かに反応した風夜が風の結界を展開したかと思うと、大きな音と共に目の前にあった壁が砕け散った。

飛んで来た破片は全て結界で防がれ、花音達を傷付けることはない。

何が起きたのかと視線を向けると、壁の向こう側で巨大な剣を振り下ろした格好でいる広間にあった像が立っていた。


「あいつ、さっきの!」

「唯の像じゃなかったみたいだな」

(や、やっぱり、動いたよ)


風牙と神蘭の声を聞きながら、花音がそう思っていると、聖羅が口を開いた。


「黒姫の気配はだいぶ近い。でも、こんなのをそこまで連れて行く訳にはいかないわね」

「となれば、やるしかないか」


そう呟いた神蘭が構えるが、それを制するように封魔が前に出た。
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