光の少女Ⅴ【決戦編】
2
風夜達が囮になって、黒姫の相手をしている中、花音は彼等を掻い潜って襲って来る触手に向けて、立て続けに矢を放っていく。

花音の近くには風華、紅牙、蒼牙がいて、前者は風の刃で触手を切り裂き、後者の二人は変形させた腕で薙ぎ払っている。

少し離れたところに夜天や光輝達はいて、彼等は花音達以上の触手を捌いてくれている。

花音達の背後では雷牙達の力が高まっているのがわかったが、まだ少し時間が掛かりそうだ。

だが、時間が掛かれば掛かる程、囮になってくれている風夜達や、花音達以上に触手を捌いてくれている夜天達の負担が大きくなるだろう。

それに花音自身、いつまで力が続くかわからないというのが本音だった。


(みんな、急いで!)


内心で呟きながら、雷属性の矢を連射する。


「・・・・・・そろそろ大丈夫そうよ」


能力的に攻撃力が無い為、タイミングを測ってくれていたらしい星夢のそんな声が聞こえてきたのは、少し経ってからのことだった。
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