光の少女Ⅴ【決戦編】
第2部 其々の路

第1章 これから



黒姫との戦いから数日後、花音達は反勢力の街にいた。

傷も癒え、疲れも回復した花音は街中を散策しながら、辺りの様子を見る。

街から人々が離れていた期間もあり、少し荒れていたが、今は少しずつ元に戻りつつあるようだった。


(本当にもう終わったんだよね?)


幾つか気になることはあるが、取り敢えず一度は落ち着けるだろうと思っていると、背後に誰かが来た気配がした。


「花音」


名を呼ばれて振り返ると、風夜の姿があり、彼はそのまま花音の横に来た。


「どうしたの?」

「そろそろ傷も癒えたし、疲れもとれたからな。これからのことで全員が集まってるんだよ」

「えっ?じゃあ、もしかして私だけいなかったの?」

「ああ」


頷かれて、自分を探しに来てくれたのだろう風夜に申し訳なくなる。

そして、急いで戻ろうと踵を返そうとしたが、何故か呼びに来た筈の風夜は急ぐ様子も見せず、花音と同じように街中を見回していた。
< 60 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop