光の少女Ⅴ【決戦編】
「風夜?」
「こうして見てると、何の変わりもないだろ?普通の人間とも、神族達とも」
「えっ?」
不意に言われ驚いた様に彼を見るが、花音は直ぐに頷く。
「そうだね。ただ、生活している様子だけ見ていれば、何も変わらない。私達と一緒だよ」
「俺も初めて来た時はそう思った。・・・・・・此処に来て、魔族が悪い奴だけじゃないってこともわかった。・・・・・・神蘭達も紫狼達も古くからの敵対で頑なな所はあるが、此れから時間を掛けていけば、いつかは魔族と神族が分かり合える時が来る筈だ」
そこまで言って、風夜は花音を見る。
「・・・・・・だから、俺は此処に残ろうと思う。俺一人で何が出来るかわからないが、もう魔族と神族の争いが起きないように、少しでもお互いが分かり合えるよう働きかけていこうと思ってる」
「そう・・・」
彼が選んだ道を否定はしない。
だが、別れを思うと寂しかった。