光の少女Ⅴ【決戦編】
2


「風夜?」


それに気付いた火焔が声を上げたのに、仲間達が風夜を見る。


「・・・・・・俺も此処でお別れだ」

「風兄様!?」

「何言って・・・」


唐突に別れを告げた風夜に、風華と水蓮が声を上げたが、彼はそのまま続けた。


「俺はもうお前達とは違う」


言いつつ、風夜は自身の髪を数本引き抜くと、空夜にそれを差し出す。


「・・・・・・何のつもりだ?」

「・・・・・・風の国の第二皇子は【死んだ】。此処にいるのは、【魔族】の俺だ」

「・・・・・・」

「もう風の国に戻るつもりはない」

「・・・・・・わかった」


頷いた空夜が風夜の髪を受け取る。


「風兄様、もう会えないの?」

「・・・・・・風華も、国のことは頼んだぞ」


涙目になっている風華の髪を撫でてから、風夜は再び離れた。
< 66 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop