光の少女Ⅴ【決戦編】

第5章 継承・前

1
光の街に戻ってきてから数日。

花音は机に向かって書類を片付けている光輝の所へ紅茶とクッキーを持ってきていた。


「はい。そろそろ少し休憩したら?」

「ああ。あとこれだけ片付けたら」


そう返した光輝が見ていた書類に印を押して、息を吐く。


「終わりそう?」

「ああ。明日からは漸く通常の量に戻りそうだ」

「ごめんね。私も早く手伝えるように頑張るから」


疲れた様子の光輝に、花音はそう返す。

戦いが終わってから、花音は光の街のことや世界のことを勉強してはいたが、光輝の仕事を手伝うにはまだ知らないことの方が多く、もう少し時間が掛かりそうだった。


トントン


クッキーを数枚摘んで紅茶を飲んだ光輝が一息ついた時、扉がノックされた。
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