光の少女Ⅴ【決戦編】
「・・・・・・ねぇ、花音ちゃん」
「どうしたの?」
急に表情を変えた風華が気になり、優しく問い掛ける。
「風兄様は、来てくれるかな?」
そう言った風華に何と返そうか迷う。
『風の国の第二王子は《死んだ》』
『もう風の国に戻るつもりはない』
別れる時の風夜の言葉を思い出し、もし来たとしても国民に姿を見せることはしないだろうと思う。
つまりそれは自分達にも姿を見せることはないということだろう。
だが、風華の言う『来る』というのは勿論会いに『来てくれる』かということなのだろうから、変に期待を持たせるようなことは言いたくなかった。